Japan Renewable Alert 33: 過積載規制に関する新ルールの施行

September.08.2017

English: Enforcement of New Regulations on Overloading

1. 過積載規制に関する新ルールの施行

2017年7月18日付アラートレター及び2017年7月21日付アラートレターでご紹介した所謂過積載規制関連の改正法令が、2017年8月31日についに公布・施行されました。

改正の概要は下記の通りです。

概 要:太陽電池の合計出力の変更を変更認定申請の対象とすることに変更

施行規則:軽微変更の範囲から太陽電池出力の変更を除外するよう変更

告 示:(2条7項)H29.4.1-H30.3.31までの10 kW以上2,000 kW未満の太陽光発電設「又はみなし認定事業者に係るもののうちその出力が2,000 kW以上のもの」について太陽電池の合計出力の変更認定(他の価格改定事由に該当しない限り、20%未満の減少又は3 kW未満かつ3%未満の増加は除外)が価格改定事由に該当するよう変更

2017年7月18日付アラートレターでご紹介したとおり、改正案の段階では、除外される太陽電池出力の増加が「3kW未満若しくは3%未満の増加」とされておりましたが、規模が大きいほど有利になってしまい不公平であるとのパブリックコメントを受け、改正法令では「3 kW未満かつ3%未満の増加」と、より厳しい基準となりましたので、留意が必要です。

なお、みなし認定事業者にかかる2,000kW以上の太陽光発電設備において、価格改定事由に該当する太陽電池出力の変更を行った場合に適用される調達価格は、変更が2017年度中であれば21円に消費税等相当額を加えた額となります。

2017年7月21日付アラートレターでご紹介したとおり、今回の改正法令の施行日前日まで、すなわち2017年8月30日までに、太陽電池の合計出力につき変更届出が適式に行われた案件については、当該変更届出の受理日が改正法令の施行日以降となった場合でも、当該合計出力の変更をもって価格改定とはなりません。

他方、改正法令の施行日前日までに変更届出が適式に行われなかった案件については、救済措置を求める多くのパブリックコメントが寄せられたものの、残念ながらかかる救済措置は設定されませんでした。したがって、改正法令の施行日前日までに変更届出が適式に行われなかった場合、事業計画の提出が猶予されている案件であっても、施行日以降に価格改定事由に該当する太陽電池出力の変更を行う場合は、価格改定となってしまいます。

2. 接続の同意に係る主要な事項についての変更認定 受給開始予定日の変更で調達価格が変わる?

今回の改正法令では、過積載規制関連の変更に加えて、「電気事業者の接続の同意に係る主要な事項の変更」を軽微変更の範囲から除外し、かかる変更につき変更認定を行った場合、価格改定事由とする旨の変更が行われております。

改正法令案では「主要な事項」について明確な定義等がなかったため、運転開始予定日の変更などの事業実施工程の変更でも価格改定になるのではないかという懸念が一部でございました。

これについては、2017年8月29日に経済産業省から出された、パブコメに対する考え方において、基本的に、「接続契約に、実質的に新規の契約締結とみなされるほどの重大な変更が生じた場合」を価格改定事由とすることを想定しており、従前と扱いを変えるものではないことが明記されました。その後に経済産業省から出された文書等により、従来どおり、運転開始予定日の変更などの事業実施工程の変更や事業者の変更等は価格改定事由に該当しないことが明確になりましたが、他方、価格改定事由となる「主要な事項の変更による接続契約の再締結」に該当する場合として、次の2つが挙げられました。

① 工事負担金未入金、又は出力制御に応じない等の理由で、一度接続契約が解約となり、その後に再締結する場合

② 事業者起因による(i) 接続先の送電系統(ネットワーク)の変更(移設の場合を除く)、(ii) 新設アクセス線の施設方法の変更(架空線⇔地中線)、(iii) 新設アクセス線の施設者の変更(申請者→一般送配電事業者)の理由により、再接続検討がなされ、その後に再締結する場合

接続契約に関する変更については、慎重な対応が必要です。

3. 発電事業者の公益事業特権をフル活用されていますか?

(1) 「発電事業者」制度

2016年4月1日より、電気事業法上、「発電事業者」という新しい電気事業者のカテゴリーが創設され、運用されています。

「発電事業」とは、出力が1,000kW以上であることなど一定の要件を満たす発電設備を用いて合計1万kWを超える接続最大電力を小売電気事業者等に提供する事業です。発電事業を営もうとする場合には経産大臣への届出が必要であり、かつ届出を行なうことにより「発電事業者」となります。当事務所のクライアントの中にも該当する事業者様が多く、すでに届出を済まされています。

(2) 「発電事業者」が利用することのできる公益事業特権

発電事業者となりますと、電力広域的運営推進機関への加入義務や供給計画の届出義務などさまざまな義務や規制が課される一方で、電気事業者として法律上の各種特権(公益事業特権)を認められるようになります。そのメリットは(とくに開発段階において)実はかなり大きいのですが、案外その特権の内容を網羅的に把握している事業者様は少ないように思われます。農地に送電施設を設置する場合に農転許可が免除されたり、道路占用許可が認められ易かったりという特権については、事例も多くすでにご存知の方も多いかと思いますが、それ以外にもたとえば次のような特権が認められています。

法律 優遇措置の概要 対象事業等
電気事業法60条 他人の土地の通行権 電気事業(小売を除く。)の用に供する電線路に関する工事又は電線路の維持
国有財産法18条、地方自治法238条の4 行政財産についても地上権・地役権等の設定が可能 ①電気事業者が経営する電線路のために地上権を設定する場合

②電気事業者が経営する電線路の附属設備のために地役権を設定する場合
国有林管理経営法7条 5haを超える国有林野を借り受けることが可能 地方公共団体の長の同意があることなど所定の条件を満たす発電事業

案件の開発を効率的かつ迅速に進めるためには、使用可能な公益事業特権を網羅的に把握し、フル活用することが有効です。詳細についてはオリックにお問い合わせください。