Japan Renewable Alert 37: メガソーラー、32MW以上は環境影響評価法の対象になる可能性

Energy & Infrastructure Alert | November.09.2018

English:  Mega Solar: 32MW and Up Possibly Subject to Environmental Impact Assessment Act

環境省は、11月1日の「第4回 太陽光発電施設等に係る環境影響評価の基本的考え方に関する検討会」において、大規模な太陽光発電事業については環境影響評価法の対象事業とする方針を示したことを発表しました。

環境影響評価法では、規模要件によって、(i) 特に影響が大きい「第一種事業」と、(ii) これに準じる規模を有し、影響の著しい「第二種事業」に区分しています。第一種事業は環境影響評価(環境アセスメント)が必須となりますが、第二種事業では地域の状況等を考慮しスクリーニングすることとされています。

では、太陽光発電事業について、いかなる規模要件によってこれらの区分を設定するのかが問題となります。

既に太陽光発電事業を対象にしている条例による環境アセスメントでは、要否を「面積(ヘクタール)」で定めておりますことから、当初は面積のみによって判断されるのではないかと考えられていました。

しかし、環境省事務局は、「(国の)法による環境アセスメントでは、発電所の許認可を行う電気事業法の審査に直接反映させることから、電気事業法上の区分である出力(kW)を規模要件とするのが適当」とし、発電出力を規模要件とする方針を示しました。さらに、(i) 土地区画整理事業などの面整備事業における第一種事業の規模要件は、土地改変面積が100ヘクタール以上である事業を基本としていることから、太陽光発電事業について、「100ヘクタールに相当する出力(kW)」を第一種事業の規模要件とすること、また、(ii)第一種事業に「準じる規模」について、他事業で法令によりすでに0.75と定められていることから、太陽光発電事業についても、第一種事業の規模要件に0.75を乗じた値を第二種事業の規模要件とする案を示しました。

では、「100ヘクタール相当の出力」はいかなる値になるのでしょうか。

この点、事務局では、データから近似式で算出したところ、固定価格買取制度(FIT)により、すでに導入済みの案件を元にした場合は「32MW」、認定済み案件のデータを基にした場合は「36MW」であったとしました。なお、この場合のデータは、他の電源と同様、電力系統に連系している出力を採用しているため、メガソーラーの場合、太陽光パネルの出力ではなく、パワーコンディショナー(PCS)の出力となります。

このような事務局案に対し、「100ヘクタール」を基準とすることに関しては、ほとんどの同検討会委員が賛同したものの、「100ヘクタール相当の出力」を規模要件にすることに関しては、異論も多く出されました。

条例による環境アセスメントは概ね1年程度で終了するのに対し、法による環境アセスメントでは、通常3~4年の期間を要するとされている。法による環境アセスメントの対象となる太陽光発電事業に関しては、開発期間が長期化するのは必至で、適用される調達価格減額のリスクや運転開始期限との関係で調達期間が削減されるリスクとも相俟って、事業開発リスクが高まることになります。

本件については、今後、来年1月中に最終的な事務局案が纏められ、再度、同検討会で議論され、来年3月末までに報告書として纏められる予定になっています。最終的に決定される前に、パブリックコメントが公募される予定です。

法による環境アセスメントの対象となる太陽光発電事業の規模要件を始め、いかなる開発段階にある案件が対象となるのか、適切な経過措置等が採られるのか等についても注意深く見守る必要があります。