Japan Renewable Alert 34: 風力発電設備等についての運転開始期限の設定

Energy & Infrastructure Alert | February.21.2018

English: Deadline for commencement of operations for wind power, etc.

先日、経済産業省から、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令案等の概要が出され、現在パブリックコメントの募集がされております。

概要中、特に重要と思われる改正案は下記になります。

1. 風力発電設備等についての運転開始期限の設定

風力、水力、地熱及びバイオマス発電設備についても、平成30年度以降新たに認定を受けるものは、10kW以上の太陽光発電設備と同様、認定を受けた日から運転開始期限を超過した場合は、超過した分だけ月単位で調達期間を短縮することとされています。

風力発電設備については4年。ただし、環境影響評価法に基づく環境アセスメントが必要な場合は、8年とされています。なお、経済産業省によりますと、8年を超える電力負担金工事期間が示されているような案件であっても、現状、かかる運転開始期限の延長等は認めない方針とのことです。

2. 風力発電設備の出力増加時における価格変更

風力発電設備については、以下に掲げる日のうちいずれか遅い日が平成30年度(以降複数年度の調達価格が定められている場合は、当該年度まで) に属する場合に、当該年度の調達価格等が適用されることとされています。

  • 法第9条第3項の認定の日
  • 法第10条第1項の変更の認定の日(以下のいずれかの変更の認定に限る。)
    • 出力の増加(運転開始前において接続契約の相手方である一般送配電事業者等による接続の検討の結果、出力を増加しなければならない場合を除く。)
    • 運転開始前における10kW以上かつ20%以上の出力の減少(接続契約の相手方である一般送配電事業者等による接続の検討の結果、出力を減少しなければならない場合を除く。)
    • 運転開始前における区分等の変更
    • 接続契約に係る主要な事項の変更

風力発電設備の場合、従来は、出力増加であっても、運転開始前であれば「発電出力を10kW以上かつ20%以上増加させる変更」に該当しない限り価格変更はありませんでしたし、運転開始後であれば、発電出力を増加しても価格変更はありませんでした。しかし、今回、太陽光同様、出力を増加させる場合には価格変更の対象とするということです。

なお、2017年度中の変更認定申請は2018112日で締め切られておりましたが、経済産業省に確認しましたところ、20183月末まで変更認定申請を受け付ける運用にしたとのことでした。

ところで、現状、みなし認定案件については、事業計画を提出しない限り変更認定申請が行えないこととなっておりますことから、出力増加を予定していても、変更認定申請を行えないまま2018年度を迎えてしまう案件が多数存在しております。とりわけ、認定より増加させた発電出力で電源接続案件募集プロセスに参加している案件などは、プロセス完了後に認定出力を増加させようとするとその時点での価格が適用となってしまうことになります(経済産業省によりますと、現状、かかる場合は「運転開始前において接続契約の相手方である一般送配電事業者等による接続の検討の結果、出力を増加しなければならない場合」には該当しないということです。)。

当事務所では、経済産業省と協議し、かかる案件への配慮を求めておりますので、該当案件をお持ちの事業者様は当事務所にご連絡ください。

3.  風力発電設備等の設置場所の使用権原証明

今後新たに認定申請を行う案件については、太陽光以外の案件でも、設備の設置場所の使用権原を証する正式書類(賃貸契約書等)を提出するまでのgrace period(原則認定日の翌日から起算して180日。但し、法又は条例で環境アセスが必要な風力等案件は3年)を付して認定を行う条件として、認定申請時に、土地の所有者等による設備の設置場所の賃貸又は譲渡証明書等の添付が求められることになります。

国有地等の場合に必要となる書類等、詳細が示されていないことから、案件に応じた柔軟な対応をするよう経済産業省に求めていく必要があります。

4. 調達価格案

今回示された今後の調達価格案の主なものは以下のとおり。

(グレーの部分は、昨年度以前に既に決定されていたものになります。なお、「α」は消費税及び地方消費税に相当する額になります。)

再生可能エネルギー発電設備の区分等

調達価格(/kWh)

調達期間

電源

規模

平成30年度

平成31年度

平成32年度

太陽光

10kW以上 2,000kW未満

18円+α

20年間

太陽光(入札対象)

2,000kW以上

落札価格+α

20年間

風力(陸上風力)

20円+α

19円+α

18円+α

20年間

風力(着床式洋上風力)

36円+α

20年間

風力(浮体式洋上風力)

36円+α

36円+α

20年間

風力(陸上風力リプレ ース)

地熱

17円+α

16円+α

16円+α

20年間

バイオマス(メタン発酵ガス化発電(バイオマス由来))

39円+α

 

39円+α

20年間

バイオマス(間伐材等由来の木質バイオマス)

2,000kW未満

40円+α

40円+α

20年間

バイオマス(間伐材等由来の木質バイオマス)

2,000kW以上

32円+α

32円+α

20年間

バイオマス(一般木質バイオマス·農産物の収穫に伴って生じるバイオマス(バイオマス液体燃料を除く))

10,000kW未満

24円+α

20年間

バイオマス(建築資材廃棄物)

13円+α

13円+α

20年間

バイオマス(一般廃棄物·その他のバイオマス)

17円+α

17円+α

20年間

バイオマス(入札対象)

落札価格+α

20年間

 

() 風力(陸上風力)については、平成30年度より20kW未満と20kW以上の区分等を統合し、風力(洋上風力)については、平成30年度より着床式と浮体式を別の区分等とする。

上記のとおり、今回浮体式洋上風力の価格が突如設定されました。また、洋上風力については、今月、調達価格等算定委員会から出された「平成30年度以降の調達価格等に関する意見」において、「今後、一般海域の海域利用ルールが開始された場合には、これにあわせて、ルールが適用される案件について入札制へ移行する」旨の意見が出されるなどしていることから留意が必要です。

パブリックコメントの締切は201838日です。募集の詳細はこちらをご参照ください。