Japan Renewable Alert 28: 新法下における認定承継にかかる留意点

Energy & Infrastructure Alert | April.26.2017

English: FIT ID Succession under New Regulations

1.  新法下における認定承継にかかる留意点

2017年4月1日より、改正再エネ特措法が施行されました。関連制度や手続に大幅な見直しがなされていますが、本アラートレターでは特に従前軽微変更の対象とされていた事業者変更手続に関連した留意点をご紹介いたします。

(1) 再エネプロジェクトの売却・取得に際しては、①新事業者が現事業者から対象プロジェクト実施SPCの持分を取得する方法、または②新事業者のSPCが現事業者の対象プロジェクト実施SPCからプロジェクト関連権利等を承継する方法のいずれかによるのが一般です。①の方法による場合はオペレーターの変更は生じないため、旧法下におけるのと同様に、必要に応じて代表者や住所等に関して軽微変更届出(事後変更届出)を提出すれば足りることになります。もっとも、②の方法による場合は認定名義の変更が必要となり、新法下では変更認定の申請を事前に行うべきことになります。

(2) まず、かかる変更認定の申請可能時期に関しては、新制度下における事業計画の提出・確認手続との関係に留意する必要があります。すなわち、2017年3月までに設備認定を取得した案件は新制度への移行に際して所定期間内に事業計画の提出を要求されますが、提出された事業計画のMETIによる確認が完了するまでの期間は、既存認定にかかる一切の変更が手続上不可能とされています。METIによれば、現時点において、かかる事業計画の確認完了までにはその提出から1-2か月を要するとのことであるため、上記のような変更認定の申請が可能になるのは最短でも事業計画の提出月の翌月とならざるを得ません。

(3) また、かかる変更認定の申請に際しては、旧法下における軽微変更と同様に、プロジェクトにかかる譲渡契約書または譲渡証明書を添付すべきことになりますが、事前申請という性質上その記載文言等には一定の留意・工夫が必要となります。当事者間においては、予定外の事態に備えた対応(例えば、譲渡が何らかの理由により不実行となった場合の手当てに関する合意等)も別途行っておくことが必要となります。

(4) 次に、事業者変更にかかる変更認定が完了した後においては、電力との関係での名義変更も必要となります。METIによれば、一般論として、新制度の下では電力との関係での名義変更は事業者変更にかかる変更認定通知の受領後になるとのことです。もっとも、電力による名義変更書類への捺印には一定の事務手続期間を要することが通常であるため、再エネ特措法上の認定名義事業者と受給契約上の発電事業者に一定期間ずれが生じる可能性があります。したがって、電力との関係ではかかる期間を生じさせないまたは可能な限り短くするためのアレンジを交渉していく必要があり、また、かかる期間が生じる可能性がある場合には、譲渡の当事者間で当該期間に関する種々の合意(例えば、売電収入の調整方法についての合意等)も必要になります。

2. 認定情報と一致しない接続申込への接続同意(猶予対象案件)

上記のとおり、新制度下では、既存認定にかかる一切の変更は事業計画の提出及びMETIによる確認手続の完了まで行うことができません。これにより、本年3月までに設備認定を取得し、電力会社からの接続同意の取得を一定期間猶予されている案件(以下「猶予対象案件」)の一部について、甚大な懸念が生じておりました。すなわち、昨年7月以降に認定を取得した案件や実施中の電源接続案件募集プロセス等に参加している案件等の猶予対象案件においては、所定の猶予期間内に接続同意を得ることでみなし認定事業者になりますが、その後さらに、接続同意を得た日から6か月以内に事業計画を提出し、METIによる確認が完了しないと認定情報の変更手続を行うことが出来ません。このため、既存認定の内容と異なった内容での接続申込が行えないのではないか、行えたとしても、接続同意内容と既存認定の内容が異なることから既存の認定は失効するのではないか、という懸念が生じており、事業者間で大きな問題となっておりました。

かかる問題につき、当事務所でも再三METIと協議させていただいてまいりましたが、最近METIより「猶予対象案件の接続同意について」という文書による告知がなされ、猶予対象案件については「認定情報と接続申込み内容が完全に一致しない場合であっても、接続申込み内容に基づき接続の同意をする運用も可能」となりました。これにより、例えば、既存認定の発電出力と異なる発電出力で電源接続案件募集プロセスに応募をする場合であっても、既存認定の失効を免れること及び接続の同時申込が可能であることが確認されました。

なお、かかる不一致申込みに対する接続同意がなされた場合、認定や特定契約の内容を当該接続同意の前提となった内容に合わせる必要があることから、接続同意後に事業計画を提出し、METIの確認完了後に、認定内容の変更手続を行うことになります。また、接続同意が得られた内容がみなし認定となりますので、既存認定の発電出力より接続同意が得られた出力の方が小さい場合は、既存認定の一部が失効することになります。